どうも〜富田です。あるいは☁︎です。お元気ですか?私はもうダメです。今年はヨーロッパは異常な暑さを記録しているらしく、特にアフリカからの熱風の影響を受けているスペイン南西部とポルトガル南東部では45度を超えているとか。ベルリンはそれに比べればまだ低いですが、それでも連日30度を超える日々を過ごしており、渡航前に人々に「ドイツは緯度が高いからこれからの季節過ごしやすいだろうね」と言われていたのを思い出しては「そんなことないぞ!」と思っております。日が長いために16時ごろ気温がピークを迎え21時ごろ日が暮れてからもずっとやんわりと暑く、もともとそれほど暑い日の多くない国のためエアコンがほんとうにどこにもない。電車の中にすらなくせいぜい窓を開けるのみ、暑い日に混雑した電車に乗るとおおよそ大変なことになっています。日差しが大きな要因になっているため日陰に入るとすずしいです。でもここ数年じわじわ気温が上がってきているらしいので、是非ともエアコンの導入を考えて欲しいものです市政。そういえば先月行ったベルリンビエンナーレ会場では公式グッズとして扇子が売られていました。語学学校の先生によると近年扇子がコンパクトで便利、と流行っているそうです。湿度が低いため扇風機など風を作るだけで結構快適になるようです。暑いものね〜
さて、そんな暑いドイツから(今日の最高気温は37度だそうで絶対に外に出たくない!)今月の報告です。
ベルリンは街中グラフィティまみれです。西側は治安が良かったり開発途中だったりするので控えめですが、東側へ行くとそこかしこ壁にも車にも看板にもグラフィティがあります。どれも楽しそう、自分の好きなように描いていてめちゃめちゃ良い……私も描きたい!となっていた時に、友人から「合法で描ける場所があるよ」と教えて&誘ってもらって、描いてきました。
場所はMauerpark、マウアーパークと読みます。直訳すると壁公園。ここはスポーツ施設やスタジアムの併設された公園で、スタジアム側と公園側を隔てるための壁の、公園側のみが合法で描ける場所なのだそう。(スタジアム側ものぞいた限りびっしり落書きされてましたが)公園側は毎週日曜に大規模な蚤の市が開かれていたり、常に賑わっている場所です。壁、平日でも土日でも絶えず描いている人がいて、観光スポットぽくもありました。
描いた
初めてスプレーで屋外の物体に描いたんですけど、背徳感がすごい…家の壁に落書きして怒られてきた私にとってかなり良い刺激でした。でも結構スプレーを使う(大きい絵をかくとそれだけでだいたい1本消費してしまう)うえにスプレーの最低価格がだいたい3€(390円)/本なので、意外と高価な遊びだな〜と。でもハマっちゃう気持ちもわかります。すごく楽しかったし、もっと上手くなりたい!と搔き立てられます。しかも観光スポットのためか描いたそばからひとの記念撮影の一部になれてしまったりして照れくさいやら嬉しいやらです。ちなみに街中、川の護岸部にもグラフィティが描かれてあるのをしばしば見かけていて、どうやってるんだと不思議がっていたんですがあれらは冬、川が凍結した際に人々が氷の上に乗って描いているそうです。ゲームみたいだな……。
ローラーを使う人などやり方は様々です。
知り合いにこの話をしたところ複数人からTeufelsbergへ行くといいよ! と教わりました。トイフェルスベルクと読み、直訳すると悪魔の山です。私は教えてもらうまで知らなかったんですが、なにやらグラフィティがすごいとのことだったのでこちらにも行ってきました。
歴史的な話
ここは第2次世界大戦後にその瓦礫を集めて作られた山で、もともとナチスの陸軍士官学校がありました。その後アメリカの諜報機関が山の上に盗聴施設を建設したのですが、冷戦終結にともない廃墟化。デヴィット・リンチが瞑想のための施設を作る計画もあったらしい(実現できなかったそう) 結局その廃墟にはアーティストたちが侵入して落書きをしまくり、今や普通にそういう「グラフィティ/廃墟を観るための観光地」になったそうです。
Teufelsberg最寄りへ向かうためのバス乗り場の時刻表。「時刻表(電光掲示でない時刻表もある)を見てね」って、雑だな〜〜
山の入り口すぐそばまで整備された住宅街でした。西側ということもあってやや治安が良さげ。閑静です。
山といっても標高150m弱、超イージーでした。ただ道が多すぎる&Googleマップが微妙に使えないので知っていそうな人の背中を選んでついていかないと即迷います。一度迷ってちょっと泣くかと思いました。あと山に入るときに何かに触れてしまってめちゃめちゃ腕が痺れてしまい焦りました。もし行く人は標高が低いからと油断して軽装入山せず皮膚を守って欲しいです。
見えてきました。丸いの、よく空港の管制塔にあるレーダーと同じです。近くでみると奇妙ですね。
経路上にあった何か。十字架が建てられているのでキリスト教系の何かだと思うのですが、説明の看板がばっちり落書きされていてひとつもわかりませんでした。あと岩を登らんとする人がたくさんいました。
建物周辺はかなり厳重にフェンスが張られていて、それでもこじ開けて入ろうとする人と運営側の修理の攻防の痕跡がよく見られます。帰り際にもフェンスをこじ開けて入ろうとしている人たちがいて、目が合ってしまい曖昧に笑い合いました。
ついた 下調べしていたよりも安くて、ガイド無しの入場料は5€でした。
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作者名のわからない作品たちが置かれています。
休憩場所があってコーヒーなんかも売ってました。観光地然としている。
常時オープンしているらしいギャラリー。暗くて怖かったです。
大きい何か。説明などがひとつもなくて何なのかがわかりませんでした。
丸いところへ行きたくて入り口を探す途中です。入り口があっても封鎖されていてどうしたらいいんだ…という感じでした。作品たちは謎。描かれていない所があったら描く、みたいな精神性なのか、隙間なく描かれています。狼みたいなキャラはTeufelsbergの公式キャラクターらしいです。
丸いところへ接近することができず半ば諦めていたところ非常階段があり、登りきったところ、鉄製の扉がこじ開けられた跡が。えっ入るの?
入るのか〜
入りました。めちゃめちゃ広く、窓などが無いため風がよく通り、かなりいい空間です。
絵が上手い。アーティストが住み着いて描いていた、とのことですが保存されてるんでしょうか?
めちゃめちゃ上書きされてる 「グラフィティは上手いと残るけど下手だとどんどん上書きされる」とかなり弱肉強食な世界である話を聞いたことがあるので、建物内のグラフィティにも代謝はあるようです。
DON’T TRUST ARTにア〜と思っていたら管理人ぽい人々に呼び止められ「今日はクローズですよ」と言われました。やっぱりダメなやつでしたが「でも入ってしまったなら仕方ないし見て行くといいよ、でもちゃんと出てもらうよ」と付き添いでの見学を許可してもらえました。ちなみに描いている人は描くのをやめさせられていました。
屋上です。念願の丸いもの。このあと地下を通って外へ出たのですが、その地下道が雰囲気たっぷりで「もしかして怖いところへ連れていかれるのでは?」と思いました。無事出してくれました。
他にもアーティストが野外展示/制作をしている場所や養蜂場所などがあって、管理下にあるのかどうかあいまいそうに見える、自由で謎な場所でした。
今月は写真多めテキスト少なめに報告してみましたが、いかがでしたか??感想などありましたらぜひ教えてくださいね。ではまた次回〜!私は今からアイスを食べてきます!
Teufelsberg公式サイト: https://teufelsberg-berlin.de/
<プロフィール>
富田香織 Kaori Tomita