写真家 石田真澄インタビュー

photo by 石田真澄

これは写真だ。写真を撮れる若手がようやく現れた。それが彼女に対する最初の印象だった。この謎を解明すべく、初めての写真集を出版する写真家・石田真澄に、今までのこと、そしてこれからのことを聞いてみた。

── お忙しい中お越しいただきありがとうございます。今はどれくらい忙しいのですか?

お仕事が立て続けにある感じではなくて、今作品集と展示が今週末にあるのでバタバタしています。

── 出版社のTISSUE PAPERSも拝見しました。石田さんの本で3冊目となるんですね。

そうなんです。写真家の熊谷直子さんもそこで本を出していらっしゃいまして。TISSUE PAPERSは安東嵩史さんが立ち上げた出版レーベルです。

── なるほど。安東さんと出会ったきっかけというのは?

安東さんが請け負っていたサイトの取材依頼と同時に「写真集を出しませんか?」というメールをいただきました。

── 安東さんは何で石田さんを知ったのでしょう?

後から伺ったらSPBSという奥渋にある本屋さんがあって、そこのスタッフの方が名前をあげてくださったらしくて。

── 展示をやったのもここですよね。

そうです。

photo by 石田真澄

── 私もファーストインプレッションはここだったんですよ。写真が飾ってあると思って見てたら、窓ガラスに手書きでサインが書いてあって。「Masumi ishida」って。

あれ私のサインじゃないんですよ (笑)

── え、そうだったんですか!?

後から (スタッフの方が) 書いてくれて。

── それを見てその場で「Masumi ishida」で検索して、会ってみようと決めました。もう既にインタビュー記事がいくつかあって驚いたのを覚えています。

ネットの記事でいろいろ書いて頂いて。

── 展示のたびに告知がいろんなサイトに掲載されていて、プレスを打つのが上手だなと感じています。どのようにしてやっているんですか?

一番最初はi-DがThe Fifth SenseというCHANELとのタイアップ記事を書いている時期があって。1年前ぐらい。いろんな女性をピックアップしているときに、たまたま私が高校卒業前ぐらいにインタビューして頂いたのがきっかけで、写真を見てもらえるようになりました。それからROCKETで5月に展示をさせていただいて写真を載せてもらったり、インタビューが載ったりしたので。

── なるほど。そこから告知なりを出していたわけですね。

そうです。IMAに掲載しているのは自分で送りました。あとROCKETで展示やったときはROCKETの方が送ってくださって。

── 初めての個展であれだけ告知を出されていて、凄い素晴らしいと思っていて。

あれは本当に何も知らないまま展示だったので、高校の卒業間際にお話を頂いて、大学に入学してすぐ展示だったので展示とかも方法も知らず……。展示? DM? みたいになって (笑) ROCKETの方など多くの方から助けていただきました。

── ROCKETの展示は申し訳ながら、見れてないのですけれど、展示をやってみていかがでしたか?

いやー、なんか。けっこう在廊してたんですね。いろんな方が見に来てくださって。本当によくわからなくて、今までは学校生活を撮っていたりして、現像が上がったものをLINEで友達に渡したり、自分で見るためだったりしていたので、誰かに見てもらうとかは……。けっこう展示数を多くしたんです。作品のプリントの仕上がりとかいうよりは、数と量を重視しました。

個展「GINGER ALE」展示風景

── 何枚ぐらい?

120枚ぐらい。いろんな人に話を聞いて、自分の写真について言われることがあまりなかったので、ちょっと俯瞰して見れました。初めて自分の写真を見返してみて、こういう写真なんだってちょっとづつ分かるようになってきました。

── 感想とかは言われました?

多かったのが「キラキラしているね」って。でも、それまで自分で気づかなくて、そういうものが好きだったりとか。水だったり光だったり撮るのが好きで、好きという自覚はあったんですけど、自分の作品がそう見らているというのは新しい発見でした。

── 「キラキラ」と形容されることについてはどう思っていますか?

嫌とか嬉しいとかそういうのはありません。「あ、そうなんだ」と自覚するようになって。あと「若いね」って言われるんですよ。それは別に、また嫌だとか嬉しいとかはなくて、何がどうで若いんだろう? というのはまだ分かってなくて。自分がそういう年齢なのかなって。

── この前、酒井瑛作さんに会ったんですよ。あの記事の続きの話をしていきたいなと思っていまして。

の取材をしていただいた時は、展示の一週間前とかだったんですよ。

── そうだったんですか。あと聞いてみたいことがあって「tiny zine」との関係は?

うわー! なんで!? (笑) すごい昔だ!

── tiny zineでの体験が石田さんにどういう影響を与えているのかというところを。

どなたにも触れられないとこだと思います (笑)

── そうなんですか(笑)

tiny zineは知ってましたか?

── 石田さんについて調べて行くうちに知りました。NYLONのブログに行き当たりまして、「石田さんと出会いました」ということが書いてあって。写真は3年前からやっていたけど、表現として心構えができたのは実はこのあたりなんじゃないかと勝手に想像しています。そのあたりもインタビューで書かれていないというのもあって。

これは写真とかが主体っていうよりかは、若い女の子が自分でアクセサリーだったりとかzineを1日だけ原宿のレンタルスペースで売りますっていうのがあって。主催のブロガーさんがNYLONブロガーの方でして。私がもともとNYLONを読んでいて面白そうだと思って参加しました。お客さんの側として参加して、次は写真でzineを作ったのがきっかけです。このときはコピー用紙に写真を印刷して、20~30ページのものを作りました。買ってもらえたら奇跡だな、ぐらいの感覚で行ったのを覚えています。

── 高校二年生の冬ですね。

もうその時期になるとみんな進路や受験などの話題になっていて。進学校だったので将来の話もいっぱい出て来ていて、写真は好きだったんですけど「うーん、仕事かー」と思って。もともと広告代理店に入りたいと思っていて。今もそうなんですけど。

── そうだったんですね。

その、編集職のほうで。クリエイティブ職のほうというよりかは、普通に営業のほうに行きたくて。それで写真の学校に行こうか迷って、でもやっぱり美大や専門学校は私には違うかなと思いまして。とりたてて急ぐことではないと思って、ただ大学にいってそのあとに考えればいいやと思っていたのがその頃です。その後、普通に受験勉強を1年間やって大学に行きました。

── 今は何学科なんですか?

社会学科です。なんでもできるところに入ってて。

photo by 石田真澄

── 広告代理店に入りたいと思ったのはなぜ?

もともと中学生のころから広告を見るのが好きで、ポスターだったら一枚で人を惹きつけたりとか。あと、CMとかも映画2時間の感動もある中、15秒の感動で忘れなくさせるって凄いなと思っていて。自分がアート・ディレクターになるというよりかは、誰かをブッキングしたりするほうが面白そうだなと思って。広告もクレジットを見るのが好きです。この人が撮って、この人が書いたんだって。

── 見る雑誌はやっぱり「広告」ですか?

コマーシャル・フォトとかですね。こちらもちゃんとクレジットが載っているので。その中の写真や言葉が好きなので、営業職にいきたいなと思ってました。

── 「今しかないこの瞬間を映し出す、ミレニアル世代の肖像」のときの取り上げられるきっかけは「写真」だったんですよね。これの3ヶ月後にご自身のWebサイトがオープンしています。この間にはなにがあったのですか?

これは知り合いのwebサイトを作っている方に依頼して作ってもらいました。2017年2月発売のPOPEYEのコラムの欄に紹介していただいたことがあって、プロップデザインをやっている中村俵太さんという方からinstagramのDMで連絡をいただきました。中村さんと初めてお会いしたときに「Webサイト作った方がいいよ」とアドバイスを行ってくださったのがきっかけです。

── そしてサイトの公開から1ヶ月後にpenで展示のプレスが出ていますね。

penはROCKETのDMを見てくださったみたいで、高橋一史さんがブログに書いていただいて。

── 会ったわけではなかったんですね。

ないんです。会ってないのですが書いてくださって。書いてくださった高橋一史さんは私が在廊していないときに来てくださって、まだお会いしたことはないんです。

── 高橋一史さんはとても愛のある紹介をされていますね。作品は売れたりしました?

中村俵太さんがディレクションをしてくださって、ワイヤーが横に走った壁に写真を折って掛けてあるんです。簡易な写真だったので売りますっていうよりかは魅せますという形でした。いくつか買ってくださった方はいました。

photo by 石田真澄

── 個展は今回で2度目ですね。

住友商事のビルの「テラススクエア」一階のエントランスを使って展示をしていて、私が8回目のフォトエキシビションです。土日祝日は休館で、12月7日から3月9日までやらせていただいてます。

── 次の展示はいつでしたっけ?

QUIET NOISEで2018年1月13日からです。土日のみで2月4日までです。

── もうひとつ、JADICTでの掲載はどういう経緯なのですか?

JADICTは運営している方から、instagramのDMでお話を頂きました。作家さんのポートフォリオを掲載しているサイトで、スタイリストさんやヘアメイクさんの作品が合わせて載っているのですが、私はそういった知り合いの方がいなかったので「私1人でもいいですか?」とお返事をして、OKをもらったので友達を2人撮って載せました。

── なるほど。あの並びに石田さんがいるのは不思議だと思っていましたが、そういうことだったんですね。「SPACE CADET」は知っていますか? 2011年にスタートしたギャラリー兼ポートフォリオのようなサイトなのですが。

聞いたことがないので、調べてみます。

── それから直近で公開された「Lula magazine」の掲載の経緯はどうでしたか?

Lula magazineはロンドンを拠点する雑誌で、それが日本版を作っていて、そのwebサイトに作品を載せるスペースがあったので公募に応募しました。私はもともとLula magazineの本誌が好きだったので、そのWebで載せてもらえるならと思って作品を作りました。2ヶ月ごとにテーマが決まってて、今は「夢」だったり、テーマに合わせて作品を作りました。

── 海外の雑誌にお詳しいんですね。

MILK JAPONという子供服の雑誌も好きです。

── 仕事をするならファッションやコマーシャルの仕事がいいという希望はあったりするのでしょうか?

もともと写真が好きだったというよりかは、撮ることが好きで、それとは別で雑誌が好きです。雑誌の写真を見るのがすごい好きなんですけど、ファッション写真を撮りたいかと聞かれるとまだ「すごいやりたいです」という熱量はあまりなくて、作品を作ったりするのが好きで、Lulaも好きなように作って見せてもらえたので。

── 作品を作りたいというのが一番の欲としてあるわけですね。

はい。

── 今、写真の活動をしていて代理店に行きたいという気持ちとはどのようにして折り合いをつけているんですか?

自分でも悩んでいて、今は大学一年なんで、まだ就活の話とかはないんですけど。2年の終わりや3年になると就活の話になると思っていて今はそんなに考えていません。

── いわゆる普通の写真の仕事ですと、今まで何回ぐらいやっていますか?

紙面に載ったお仕事では先月発売されたWIRED japanが初めてです。展示の機会が多かったので、作品を発表する機会のがほうが多かったです。

── なるほど。他に仕事ですと何がありましたか?

SHE.という山形の美容室のビジュアルを撮りに山形に行きました。それからZUCCaというブランドのムック本の撮影をして、それが1月に発売されます。女の子4人を撮影して。

── 撮っている友達は、固定というか、いつも決まったメンバーなのですか?

中高一貫だったので、そこで一緒だった女の子が1人いて、その子はずっと撮っています。「GINGER ALE」のフライヤーにも写っていて。大学は別なんですけどよく会っていて。そのほかはよく遊ぶJADICTで撮った女の子をZUCCaの中でも呼んだりしていました。

── モデルというよりかは、その場にあった役者さんをキャスティングしているという形なんですね。

私が撮りたいと思う子だったことが大きいです。だから、自然になるし、その子も仕事じゃなくて自然体でいられるし。

── 未来については、どのへんまで想像したりしています?

そんなに考えてなくて。卒業後とかですよね?

── いや、もっと10年後、20年後でも大丈夫です。

高校を卒業した直後とかは、後先が不安で昔に固執することが多くて。「昔の方がよかったな」とか。「GINGER ALE」で昔の写真を見返したときに「ああ、よかったな」と思うことが多くて。だんだんいろんな方との出会いや、年上の方の出会いを経て、「この先も楽しそうだな」という気持ちは前よりも増しています。でも、まだ、20年後何してるかとかは想像つかないなって話はします。

── 今回出版する写真集のタイトル「Light years -光年-」はどのように決められたのですか?

それは安東さんが提案してくださいました。星が今ひかっている光は今の光ではない、っていう。その光年のずれがあるから、昔ひかった光も、自分たちの今を照らしてくれているということで。高校時代とかがあるからこそ未来を照らしてくれているという話があって。その光年を英訳して使っています。

── この本の次にやりたいことはありますか?

今まではずっと1人で作品を作っていました。でも複数の方と一緒に作り上げていくということをして行きたいなと思っています。例えば写真集は装丁の方がいて、編集の方がいてとか。最近、ヘアメイクさんがいて、スタイリストさんがいてという撮影をやり始めて、自分の思ったものをそのまま作るというわけではない経験をする機会が増えました。いろんな人の意見を取り入れてもひとつの作品なので、そういうことに対して経験してみて、大変なところもあるけど自分が想像したものより良いものができるということが楽しいし、それまでは苦しかったりとか悩んだりもするんですけど。そういうこともやっていきたいなと思っています。

photo by 石田真澄

── チームでなにか作り上げるということをしてみたいということですね。それでは、今、自分と似ているなという写真家はいますか?

写真家の方のインタビューを読むことは好きなんですけど、本当に人それぞれで。トークショーもよく行くんですけど、ここの部分は似ているなと思っても、違う部分はぜんぜん違ったりするので。人それぞれかなと思います。

── 自分の中で気にしている先輩みたいな人っています?

んー。森栄喜さんの「intimacy」という写真集が、今までの恋人を撮っている写真がすごい好きで。それは写真とかをほとんど見ていない時期に見た写真で、それは日々の記録で、作品というよりかは今まで撮りためたものを集めているんです。記録写真がもともと好きで。今までの写真を集めた作品集みたいなものが好きです。

── なるほど

それからライアンマッギンレーが、同じく恋人を撮った写真なんですけど、iPhoneで撮った写真集が最近出て。

編集部注 ※Luis Venegasの最新版「Ey! Boy」という写真たち。
a look inside ryan mcginley’s family album

それはそれは凄くて。どちらも同性の彼氏を撮っていて、その2冊がすごい好きで。ライアンのほうは一度見たら3週間ぐらい開いてなかったです。1回目のままで留めておきたかったくらい。記録ってすごいなと思って。溜めてきたものだったり、その人にしか撮れないものだと思うから。

── 他にライアン周りで気になっている人はいますか?

海外はそんなに詳しくなくて、もともと撮る方が好きだったから。最近やっと見るようしていて……。Lina Scheyniusかな。

── あー、リナはいいですよね。

普段そんなにヌードの写真をみないのですが、あの方も撮ったりするんですけど、すごい綺麗な写真です。私家版の薄い写真集も好きで。

photo by 石田真澄

── 東京アートブックフェアでもけっこう売り切れてますね。

手に入らなかったので友人から見せてもらいました。

── それからミューズである弓ライカさんとの出会いというのは?

いつだっけ。高校二年生の夏に出会ったんですけど。地元がすごい近かったんですよ。それでよく会うようになって、遊んだりしていて、高校三年の春ぐらいから毎月撮るようになりました。地元近いしよく会えるし。

── 今も継続して撮っているわけですね。

そうです。

── 今、一緒に仕事してみたい人とかいます?

モデルさんとかは割と会わないとどんな感じかわからなくて。けっこう私が人見知りしてしまうというか……。撮影で「はい!初めまして!」というのは苦手で。だから可愛いと思ってるモデルさんとか女優さんはたくさんいるのですが、会ってみたらどうなんだろうというのを考えちゃって……。ヘアメイクさんやスタイリストさんはお仕事してみたいなという方がいます。

── なるほど。活動していく上で迷ったり悩んだりしている部分はありますか?

ROCKETの個展などで「こういう写真だね」って言われた自分の写真のいいところを、うまく出せるお仕事ってなんだろう。というのがあまり分かっていなくて。私の写真をそのまま仕事に生かせるのかというと、ファッション写真…? なんなの? っていうのがあって。例えばファッション写真なら雑誌の狙いを決めて売り込みにいったりできると思うんですけど、それもなかなか……。ふんぎりがつかなくて。

── そこをうまくマッチングさせるのはとても大変ですよね。難しいところだと思います。

でも、記録写真が好きで、自分でもそういう写真を撮っていたので、旅行写真とかも好きです。いつか「TRANSIT」などでお仕事ができたら嬉しいなと思っています。

── 逆に、自分の中で確信している部分はどこですか?

その場で…ゼロからものを作り出すよりかは、今まであるものを側から一緒についていって記録していくとか、事情を撮るほうが自分でも好きだったり良いねと言われることが多いので、そこを生かしていきたいです。自分の写真がどういうものなのかがだんだん分かってはきています。

── セットアップ写真も今やっていたりするのですか?

弓ライカを毎月撮る時は、二人であそこであれを着て撮ろうっていうのは考えたりはするので。そういうのはやったりするんですけど、自分の強みかっていうと、そういうわけでもないから。

── となると新人女優と旅行にいく企画とかですよね。

そうそう。それがいいかな (笑) でも趣味になっちゃうんで (笑) でも自分の年齢だからこそできることだったりとか、SHE.の撮影をしたときには山形に一泊二日で行って、モデルの方が戸畑心さんという私の1歳年下の女優さんで私が戸畑さんと年齢が近かったからこそできたことがあるのかなと思っていて、そこは自分の強みでもあるし、近いから話せることもあるんだろうなって思います。そこを意識して撮ったり選んだりしています。

── よく比較される人はいますか?

比較……。うーん。

── たとえば「◯◯さんっぽいね」とか。

若い人、で括られることはよくありますね。年齢がいい意味でも悪い意味でもレッテルとしてあるので。

── 柴田寿美さんとかは意識されていますか?

分からないです。

── 2010年に写真新世紀を受賞した方で、同様に高校時代の写真をまとめて受賞されていました。

見たことあるかな……。検索してみますね。

編集部注 ※その場で検索するも、キヤノン写真新世紀のサイトがリニューアルして過去の受賞者の作品が見れず

── あれ? 毎年の審査員コメントも見れなくなってますね。それではさらに古い人物でいうと、ラリー・クラークやナン・ゴールディンと比較された経験はありますか?

あー、ないです。でもラリー・クラークも好きだし……。Tim barberとかのほうが好きかも。

── Tim barberとかも編集者的な立ち位置ですよね。2005年から2012年まで「tiny vices」という若手のアーティストを一覧で載せるページを作っていたりして。

編集部注 ※ tinyvices.com には現在アクセスできません

見せ方を考えるのすごい好きかもしれない。目標として賞いただくこととか、コンペに出すことはしたいと思っています。すごいネガティブになったときに誰か一人に「一番いいよ」って言われたい気持ちがあるじゃないですか。

── ありますね。

そういうときに「一番いいよ」言われたいなって思うことがあります (笑) 共感してもらいたいときとかたまにあるので、そういうのをやっていきたいと思っています。

── 同世代で尊敬している人はいますか?

若い写真家の方で映画のスチール撮ってて、今までファションフォトのイメージがあったんですけど、最近は映画の仕事がとってもかっこいいなと思っています。

── なるほど。また編集者的な質問に戻ってしまうんですけど、もし自分が編集だったら使って見たい写真家さんはいますか?

木村和平さんですね。「楽譜」っていう今までのスナップ写真を集めた写真集があって、それがすごい好きです。一度、ROCKETに来てくださったことがあって。木村さんに写真を褒めていただいた時はすごい嬉しかったし、自分が好きな写真を撮る人に言ってもらえるのってこんなに嬉しいんだなって思いました。

── 石田真澄さん自身が海外に行く予定ってあるんでしょうか。

あんまり。そこまで海外でお仕事したいとかは無くて。日本の写真家のほうな方が多いです。もちろん海外の写真を見たり、旅行したりも好きなんですけど、日本の雑誌で仕事をしたいなと思っています。

── 友達を撮ることが多いと思うんですけど、恋人や家族を撮ったりはしないのですか?

家族とか……ないかも。あんまり写真の話もしたくないぐらい (笑) 気恥ずかしいのかわからないけど、家族は撮らないです。

── 恋人を撮ったりとかも?

ないです。

── 友達という絶妙な関係性が大事なんですね。それでは最後に、これから写真を始める後輩に伝えたいこととかってありますか?

高校時代はあまり何も考えずに撮ってたし、誰かに見せようとした写真でもないし、そういう写真って個展をやったりお仕事していくとだんだんその気持ちが忘れたりとか、「見られているな」って思ったりすると思うんで、そう思う前にいろいろ撮るのが楽しいし、後で見返しても、いつ見ても「いい写真だな」って思える写真が撮れると思うので、今はうまく撮る方法を考えるよりかはずっと撮っていた方がいいと思います。高校時代は制服のスカートにずっとカメラ入れてたぐらい撮ってたんで。

── ふんふん

なんか……。気にせず撮ったらいいんじゃないかなと思います。

プロフィール
石田真澄 Masumi Ishida
1998年生まれ。
2017年5月 個展「GINGER ALE」
2017年12月 個展「A Day in the Life」
写真集「Light years -光年-」1月下旬順次全国発売
同名の展示をQUIET NOISEにて2018年1月13日 – 2月4日にて開催。

写真集のご予約は SPBSのオンラインストア にて受け付けています。

Writer : 立花桃子
Photo : 石田祐規